タッチ、コンタクト、ボーンズ スティーヴ・パクストン+リサ・ネルソン ダンス プロジェクトについて

アメリカ・ポスト・モダンダンスの中心人物であり、独自の方法論である、コンタクト・インプロヴィゼーション[*1](以下C.I.)の創始者スティーヴ・パクストン。振付家/ダンサーとしてC.I.の発展に重要な役割を果たしてきたリサ・ネルソン。本企画は、この二人の活動や思想を、青森、京都、東京、山口の四都市を結ぶ、ワークショップ/公演/展覧会/シンポジウム/レクチャーなどを通して、学び対話することで、身体の可能性を多角的に探求していく参加型のプロジェクトです。とりわけ、34年ぶりの来日を果たすパクストンが、1986年から取り組んでいる“Material for the Spine(背骨のためのマテリアル)”の方法論は、ワークショップ(東京)、映像インスタレーション(山口)を通して日本で初めて紹介されます。合気道、ヨガ、ヴィパッサナー瞑想などのアジアの身体技法を取り入れたパクストンの集大成である“Material for the Spine”は、普段意識することのない「背骨」に注目し、私たちに自明となっている身体表現のあり方を問いかけてきます。

1960年代半ばに登場したアメリカのポスト・モダンダンスは、社会慣習や伝統にとらわれず、身体のあらゆる感覚と行為の枠組みを問い直し、20世紀の舞踊史の流れを大きく方向転換させました。それらは、現在欧州や日本、アジア各地で多様な展開をみせているコンテンポラリーダンスの基盤であると同時に、身体に関わる創造的活動の分野に未だ強い刺激を与え続けています。日本においては、パクストン、ネルソン、そしてC.I.への関心は多大であるにも関わらず、これまで本格的な紹介、招聘企画はほとんど皆無でした。即興=インプロヴィゼーションを通して、長きにわたり身体表現を追求してきたパクストンとネルソンとの出会いは、日本のダンサー、研究者だけでなく、教育やセラピーの世界をはじめ、様々な領域の人々が、新たな創造のあり方を発見する絶好の機会となることを確信しています。

Steve Paxton + Lisa Nelson
Night Stand
photo: Jordi Bover
Steve Paxton workshop
1.

コンタクト・インプロヴィゼーション

ダンスの即興形式。他者との接触をとおして動かし動かされながらそこに生じる合力に身体を委ねることで、既存のダンス・イメージを越えた新しい動きの経験を可能とする。ダンスの訓練/振付/上演の手法としてのみならず、自己探求やコミュニケーションの活動として欧米を中心に世界中で様々な人々によって行われている。

招聘アーティスト

  • スティーヴ・パクストン|ダンサー/振付家(アメリカ)
  • リサ・ネルソン|ダンサー/振付家(アメリカ)
  • キャロル・マリンス|照明デザイン(アメリカ)
  • フローレンス・コリン|映像インスタレーション(ベルギー)
  • バプティスト・アンドリアン|映像インスタレーション(ベルギー)